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住まいとデザインのはなし 2002-2016

054 住まいづくり

054 住まいづくり_e0025025_855786.jpg写真は「桜町の家」の左官工事をしたときの風景です。私たちの考える「住まいづくり」では、のちのちのメンテナンスなども考え、(時間的に可能であれば)住まい手が部分施工することが恒例となっています。(強制ではありません。念のため。)
この時は住まい手ご夫婦と双方のお父さん、そして私たちを含めた計6名で施工しました。途中から様子を見に来たご主人の友人も加わって、大変賑やかでした。中でも奥さんは身重にも関わらず頑張って下さいました。

よく「家を買った」という言葉を耳にします。私は常々「住まいはつくるもの」と考えていますから、特に気になる部分です。いつ頃からこういった表現に変わってきたのでしょう。かつては全て「家を建てた」という表現だったはずです。都市部における住居需要に供給が追いつかなくなりマンションやアパートなどの集合住宅の供給が本格的に始まったのが昭和40年代頃です。こういった集合住宅を購入する場合は「家を買った」という表現もあながち間違いとは言い切れません。またハウスメーカーがつくる家というものが定着し、今ではカタログショッピングのように「○○シリーズの△△タイプで・・・。」なんてことも珍しくなくなりました。(生産効率を高めるためにはシリーズ化と少ない選択肢は避けられないでしょう。)こういった事から「家を買う」という表現が定着してきたのかもしれません。

そもそも「住まいをつくる」ということは自分に合ったオーダーメードの住まいを手に入れるということを意味します。これこそ究極のカスタマイズかもしれません。今後も仕事などで忙しかったり、(設計事務所に依頼すると打ち合わせが多いので)それが煩わしかったり、様々な理由で「家を買う」住まい手が無くなる事はないでしょう。少し寂しい気もしますが、それぞれの事情がありますので、そこまで関与しようとは思いません。いずれにしても大金(殆どの方にとって人生最大の出費)を支払うイベントですから、「目一杯楽しんでもらえるようにしたい」と私たちは考えています。(A)
by miz-arch | 2005-09-28 09:26 | 住まいのはなし