住まいとデザインのはなし 2002-2016

008 重力換気

e0025025_1818472.jpg重量換気とも言います。室内と室外の温度差(正確には温度によって生じる気圧差)を利用して換気を行なう方法です。煙突効果を利用し、低い位置にある窓から高い位置の窓へと風を通します。
ちなみに数式で表すと次のようになります。
V=αA√2gH×ti-to/273+ti
V:換気量、A:開口部面積、H:開口部垂直距離、to:外気温、ti:室温、α:流量係数

写真は「白い家」のキッチンから東面の窓を見たところです。ダイレクトゲインを得るための大きな窓と上部に小さなルーバー窓が見えます。写真の反対面には地窓(床のすぐ上に設けられた低い窓)があり、風を取り込んでいます。比較的天井高がある空間(特に吹抜や階段廻り)であれば一層の効果が期待できます。ただし、やみ雲に窓を開けても望むような結果は得られません。実際、「白い家」でも東面に日が指す午前中は東面が正圧となる(暖かくなる)ため、室内に風はあまり入ってきません。午後から南西面に日が差すと一転して涼風が室内を駆け巡ります。その土地の風向き(恒常風の向き)を知り、どこにどのような開口部(窓)を設けるかがポイントです。

冷房設備によって室温を下げても、体が慣れてしまうとあまり涼しく感じなくなります。一方、暑い状態でも適度に風を受けることで体感温度は下がり涼しく感じます。自然の力で涼しく過ごす。昔からある日本家屋の知恵の一つです。(A)
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by miz-arch | 2005-07-21 19:06 | 住まいのはなし