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住まいとデザインのはなし 2002-2016

097 建築写真

097 建築写真_e0025025_928282.jpgこの写真は「大泉本町の家」のダイニングから子供室方向を撮影したものです。
入居前に撮影したので家具等は見えませんが、現在は写真中央に下がっているペンダント照明の下にダイニングテーブルとスツールが置かれています。
写真右手の家具はキッチンと一体になった収納(シンクの背面に設置)で、キッチンより少し高く造ることで、リビング側から手元を隠してスッキリ見えるように配慮しています。

学生時代に恩師から「写真撮影の際に様(さま)になる空間を10箇所以上つくらないといけない。」と教えられました。以降、(10箇所あるかどうかは別にして)「第三者」の目を持って設計するようになりました。
では「写真撮影の際に様になる空間」とは、どのような空間でしょう。私の中では、仕上材料がどうであるかとかは関係なく、純粋に空間的な面白さがあるものこそ、写真撮影の際に様になると考えています。もう少し簡単にいうと、一つの建物の中に高いところや低いところ、広いところや狭いところ、明るいところや暗いところなどが混在し、一方の空間が他方の空間を高めあう(狭いところがある分、広いところがより広く見える)ような建物こそ、住んでいて面白いのだと思います。クラスの生徒の性格がみな同じであるよりも、個性豊かなクラスのほうがより楽しい・・・、これと同じというのは飛躍しすぎているかもしれませんが、少なくとも建築物は均質で無個性であるよりも、個性的な空間づくりの方が、使っていて楽しいと考えています。

私たちのつくる住まいは、こうやってインターネットや雑誌などを通じて発表しています。ですから竣工写真の撮影は欠かせないのですが、もう少しカメラマン(私)の腕が良ければ・・・といつも思います。それゆえ雑誌などのプロの方に撮って頂くときには緊張します。果たして様になる空間が何箇所あるか。。。いつも合格発表を待つような心境です。(A)
by miz-arch | 2006-06-28 12:00 | 設計のはなし