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住まいとデザインのはなし 2002-2016

111 本棚

111 本棚_e0025025_1455960.jpgこちらの写真は先日、駐車スペースを改装して増床した私の事務所の様子です。
人やモノが増え、事務所が手狭になってきたので、思い切ってカタログなどの事務的書類を中心としたスペースに作業机を2人分つくる事にしました。もともとコンクリートでできた頑丈な床と屋根があったので、外壁を建て、無垢板の床を張る簡単な工事でしたが、それでも本棚の大きさと形状は悩みました。結果、写真のようなもの(大小2種類の箱を積み上げて構成しました)が完成しました。

使用材料:シナ合板24mm

本棚の設置は住宅を設計する際にもありますが、事務書類はA4サイズを主とするものの、微妙に大きいカタログや不定形なサイズのものなど多種類になるため、これらをスッキリ片付ける方法はないかと頭を捻らせることになりました。そこでまずA4サイズが入る大きさの箱を造り、これらを微妙にずらしながら組み立てていく(積み上げていく)ということにしました。「ずらす」というところがミソで、箱をずらすことによって、箱の内法寸法より上下方向に48mm余裕のある空間が生まれます。ここに少し大きなサイズの書類を収納できるわけです。そしてもう1種類大きな箱を組合せ、模型やさらに大きな書類などを納めることができるような空間が生まれました。結果はご覧の通り、眺めていても楽しい、たっぷりの収納が完成しました。おかげで元々の事務所にあった収納棚はガランドウです。

住まいの中の収納は住まい手がどのように使っていくか不透明な部分が多く、可変性を持たせるために可動とすることが多いのですが、こちらは私が使い勝手の大部分を知りえています。ですから固定棚でも十分対応が可能となります。その分、強度は確保できますし、地震にも強いと言えるでしょう。普通に造ったら何の変哲もない本棚ですが、少しの考える努力と遊び心で使いやすく面白いものができる・・・という事例の紹介でした。(A)

※「手前味噌!」というご批判はご容赦下さい。
by miz-arch | 2007-08-06 15:24 | 家具のはなし