住まいとデザインのはなし 2002-2016

カテゴリ:住まいのはなし( 41 )

135 15年目の更新

e0025025_17230695.jpg竣工して15年目を迎えた自宅兼事務所の白い家
5年目に事務所スペースを増築したことくらいで
その後は変化もなく過ごしてきましたが、
今年に入って設備機器を中心に少し手を入れる事になりました。
まずは食器洗浄機。
こちらは2月頃に不調を訴え、3月に思い切って更新しました。
少し前から運転中に止まったり兆候はでていました。
それをメンテナンスしながら使っていましたが、
ついにこれ以上は・・・ということになり更新となりました。

その次は浴室の換気扇。
場所柄、空気中のチリが湿気などで駆動部に付きやすいのですが、
こちらは受忍限界と感じるほどの音をあげ、最後は停止しました。
定期的に掃除もしていましたが風量を大きくしてみたいこともあり、
こちらも更新する事にしました。

最後は浴槽。
こちらは排水系のトラブルで防水をやり直す事になりました。
どうせならとハーフユニットで検討しましたが、施工的に難しいということになり、
塔のある家で採用され、いいなと思っていたホーローの浴槽に更新することにしました。
これからの季節、追い焚きも多くなるでしょうし、省エネ効果に期待がもてます。

よく設備機器は15年くらいで更新なんて言いますが、身を持って体験しているところです。
他にも予算さえあれば、新しい省エネ基準まで断熱性能を上げたいとか、
高効率型のガス給湯器を付けたい、薪ストーブも効率の良いものになど希望はたくさんありますが
子供たちの教育費なども必用ですし、他の部分はおいおいに。。。
それより今日はどこの銭湯へ行こうかなというのが日々の悩みです。(A)



e0025025_11145244.jpg<2016年12月17日追記>

工事が完了しました。
床面のタイルや壁面下部の汚れやすい部分はタイルを剥がし、
モルタルで下地を作ってからFRP防水仕上げとしました。
そして鋳物の白い浴槽をセットすると、以前にもまして白い浴室に。
段差も以前より少なく、浴槽も浅めで年をとっても安心な仕様に。
カビ取りメンテ中の天井の汚れを落とせば、気分も一新です。

肝心の使い心地ですがタイルからFRPになった分、
足の裏が冷たく感じることはありません。
反面、水の切れは少し悪くなりました。
浴槽の方は保温性がよくなり追い焚き回数も減りそうです。
以前の人工大理石の浴槽と比べ、
体の暖まり具合が違う事を実感しています。

メンテナンスもしやすそうですっかり気に入っていますが、
しいて言えば底面の滑りやすさが気になります。
こちらはそのうち、壁面に手摺でも設けてカバーでしょうか。
ともあれ、また深夜にゆっくり入浴できるようになったのが一番です。


浴槽:大和重工 CASTIE CIE-1470






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by miz-arch | 2016-12-17 12:00 | 住まいのはなし

134 リノベーション

e0025025_11572217.jpg数年前よりリノベーションの相談を受けることが増えてきました。
リノベーションは経年とともに時代やライフスタイルに合わなくなった機能や性能を見直し、内外装のほか断熱性能や耐震性能を整えていくことを差しますが、そのためには従前の住まいの綿密な調査が必要となります。またお話を伺っていくと、リフォーム(お化粧直し程度)や新築に切り替えた方が良い場合も少なくありません。


写真の住まい「週末の家」では、主人の他界で空き家になってしまった家の利用法を含めての相談でした。
壊すのか、人に貸すのか、リフォームするのか、リノベーションなのか。。。
選択肢は住まい手の思い出の大きさによって変わってきます。
昔の家は手入れさえよければ、材料としては良いものを使っているの場合が多く、
寿命を延ばすことは可能だと思っています。
ただ、そのためにはそれなりの投資をしなくてはいけません。
表面だけをきれいにしても駄目で、やはり少しは快適にしなくては足は遠のきます。
物理的に問題なくとも実際に利用するためには、現代の住まい方に合わせて再度計画することが大切です。

今回はこの住まいを引き継いがれた息子さんたちと相談し、週末に利用する家として
リノベーションを進めていくとになりました。
ご家族が時々滞在するために、必要なところだけに絞ってリノベーションする計画です。
実際に毎週末の利用ということは難しいかもしれませんが、
なるべく使って頂けるよう「週末の家」と呼ぶことにしました。
うまく活用できたらゲストハウスみたいに使ってもいいのかもしれません。
そんな活用方法も含めて提案できたらいいなぁと思っています。(K)
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by miz-arch | 2015-08-12 12:00 | 住まいのはなし

133 土間のある暮らし

e0025025_20184041.jpg
6月上旬、わが家に新しい仲間が増えました。
連休中に移動動物園で触れ合ったのをきっかけにウサギを飼うことになりました。
写真は世話係の次女。
これまでも金魚やメダカの飼育に始まり、カナヘビを捕まえてきたり、カエルと遊んだり、
生き物にとても興味のある娘でしたが、小動物となるとさらなる覚悟が必用です。
わが家にとっても、初めてのペット。事前に本を読んで調べたり、入念に準備をして来ました。
それでも早朝のエサやりから夕方の掃除まですぐに音を上げるかもと心配していましたが、
なかなかどうして、いつも以上に早起きで、規則正しい生活をするようになりました。

さて飼っている場所ですが、ここは事務所の打合せブース、わが家の玄関土間でもあります。
音に敏感な生き物ゆえ、こちらも大丈夫かと思いましたが、案外大丈夫な様子です。
6畳程度の空間ですが、冬はスキーや除雪道具の乾燥室として使ったり大変重宝しています。
これが一般的な住まいなら、趣味空間としても活躍しますし、あらためて土間の魅力を感じた次第です。
これから住まいづくりを始められる方も一度検討されては如何でしょうか。
どんな具合か知りたい方は、遠慮なく事務所をお訪ね下さい。
ただし、動物アレルギーをお持ちの方は事前に相談して下さいね。(A)
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by miz-arch | 2015-06-23 21:00 | 住まいのはなし

132 住まいのお手入れ

e0025025_13515212.jpg今年のゴールンウィークは例年以上の大型連休で天候にも恵まれ、
遠出された方も多かったのではないでしょうか。
部活動に熱心な中学生のいるわが家では、彼女を置いて出かける訳にもいかず、連休前半は住まい手さんと打合せ、後半は図面描きといった具合で、ほぼほぼ仕事をしていたような状況でした。
そんな中でも、午後からは休日なんて日が何度かとれたのは幸いです。その中の1回は住まいのメンテナンスにあて、今回は暇を持て余している小学生の次女と一緒にワックス掛けを行いました。この季節、天候も良く、乾燥も進むので住みながらの作業にはうってつけ。翌日には大部分が乾いて普通に暮らす事が出来るようになります。


私たちのつくる住まいには床はもちろんのこと、外壁に無垢材を使用している場合が殆どです。
この場合のお手入れのタイミングですが、外壁について通常は竣工後翌年、
その後三年後、その後は五年毎にと伝えています。
それでも建設地や使用部位によって劣化具合が異なりますし、
使用した塗料の種類によっても変わってきます。
そこで最終的には住まい手さんの判断にお任せしていますが、
塗り替え時期としては梅雨前のこの時期がベストでしょう。
今年も連休前に住まい手さんからの塗料取り寄せの依頼がありました。

内部の床のお手入れですが、これは暮らし方によって大きく変わるので、一年点検の折に様子をみて、
住まい手さんと相談で決めています。
内部のワックスがけは住まいながらに行うため、家族旅行の前日や天候の良い日などをお勧めしています。
24時間家を空ける事が出来ない場合は、動線をかくほしつつ半分ずつ。。。
などのように出来る範囲でのメンテナンスがいいでしょう。

写真は床塗りが終わった後に自家製文机にワックスをかけているところですが、
こうして小さいうちからメンテナンスに携わることで手入れの重要性を学んでくれたらと思います。
写真では艶艶とした色になっていますが、実際にはベトベト。
これもそのままで、かけすぎるとどうなるのかを身をもって体験中です。
おかげでいつも以上に自分の学習机につく事が多くなりました。
目出度し目出度し。(A)
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by miz-arch | 2015-05-11 15:00 | 住まいのはなし

129 遮光ネット

e0025025_17302320.jpg暑い夏。節電が叫ばれるこの時期ですが、わが家には未だにエアコンがありません。そもそも過度に冷えた空間が苦手なのと、小学生の子供が居るので夏らしく過ごしたいからです。最近の小学校はエアコンが入っていますが、体育の授業を始めエアコンの無いところで過ごすことも多いはず。涼しい室内にばかり居るのでは忍耐力がつかないのではないでしょうか。

わが家は冬のダイレクトゲインを大きくとるために東面に大きな大きな窓をつけています。その分、直角に入ってくる夏の日差しは大敵で、これまでは葦簀(よしず)を設置することで日差しを遮ってきました。ところが葦簀は数年もするとバラバラに解けるようになってしまいます。その都度買い換えるのもなんだかなぁという思いで、昨年からは農業用の遮光ネットを設置することにしました。これなら入手しやすく、どなたでも気軽に試すことが出来るような価格です。そして今年は写真のように事務所部分にも遮光ネットを設置しました。風が吹く度に揺られて見た目も涼やかです。朝8時頃にコンクリート壁面の温度を測定したところ、日差しを受けているところとネットに覆われた部分では4℃の差がありました。熱伝導で伝わっていると事を考慮すると十分な効果です。さらに外気温と室内温は8℃近い差があります。断熱材の効果もありますが、これには驚きました。
e0025025_18173141.jpge0025025_18174488.jpg
(左)屋内(右)屋外


これに気を良くしていたつい先日のこと。打合せで事務所に来られた住まい手さんから思いもよらぬ言葉を頂きました。
「中は案外明るいのですね。」
この言葉で我に返りました。遮光ネットで覆うことが道行く人に対する省エネ運動にもなると勝手に思っていたけど、暗いなんて思われていたのでは効果も半減!そして「あの家、暑いんじゃないの?」なんて思われようものならマイナス効果。。。
そもそも夏の日差しは強いですし、開口面積も大きいので、室内は程良く薄暗くなった程度です。おそらくは黒いネットを使用していることが原因でしょう。ちなみに事務所の接客スペースにエアコンは有りますが、この日はエアコンの無い住居部分で打合せを行ないました。先頃DCモーターで動く静音の扇風機を手に入れましたので、十分涼しく打合せを終えることが出来ました。それでも来年は、より涼しく見えるように白系の遮光ネットにしようかな・・・と夏の過ごし方への模索はまだまだ続きそうです。(A)
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by miz-arch | 2012-07-31 18:00 | 住まいのはなし

116 住まいの寿命(2)

e0025025_15344685.jpg写真は昨年末に竣工した「おどりばの家」(金沢市)の内部で、この住まいの名前の由来にもなった中核部分「おどりば」です。
素っ気ない写真からは「何これ?」くらいにしか感じられないかもしれませんが、この空間には住まいを何倍も長持ちさせるような秘密が隠れています。


住まいの寿命には概ね2種類あります。1つは前回お話したような「ハード面(建物の構造など)の寿命」、そしてもう1つは「ソフト面(建物の機能など)の寿命」です。
前者は定期的なメンテナンスにより寿命を延ばすことができますが、後者の場合はそうもいきません。例えば、よくあるのが子供部屋の例で、ある頃になると準備を強いられる。そこでリフォームを・・・と重い腰を上げることになります。あるいは、結婚などで家族構成が変わる場合。これら住まい手の変化を見越した設計がなされていないと住まいを長く使い続けることはできません。

さて本題の「おどりばの家」ですが、こちらは決して大きな住まいではありません。むしろ私たちが理想とする「小さな住まい」に近い大きさですが、中に入っても狭く感じることはありませんし、住まい手の変化にも十分ついていけるような工夫が施してあります。
冒頭の「おどりば」ですが、ここは中2階(1間×2間)と2階(1間×2.5間)の連続する小空間を階段でつないだだけのもので、本来なら廊下のような扱いになるかもしれません。私たちはこの空間に特定の機能を持たせず、隣接する居室(リビングや子供部屋)から溢れるであろう要素を受け止める空間として位置づけました。ですから「おどりば」はライフスタイルの変化に合わせ、プレイルーム、セカンドリビング、ワークスペースに変化します。どんなスタイルに変化させるかは住まい手が一生懸命考えます。でもそれはきっと至福の時となるでしょうし、考え続けられる限り「ソフト面の寿命」は来ないでしょう。

先の見えないものに対してどのように対処するか。これはとても難しい課題ですが、知恵と工夫さえあれば案外、簡単なことかもしれません。(A)



<2008.02.05 再編集、追記>
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by miz-arch | 2008-02-04 19:01 | 住まいのはなし

年末のご挨拶

e0025025_17392014.jpg本年も「住まいとデザインのはなし」を訪ねて下さり、誠にありがとうございました。
昨年末の公約(?)通りのスローペースでの投稿でしたが、投稿内容はそれなりに内容の濃いものだったように思います。


今年を振り返ると、普段の設計・監理業務に加え、事務所の拡張や所属団体の組織活動などが加わり、何かと忙しい一年でした。また、飛騨市、金沢市、神戸市など遠方の仕事に恵まれ、住まいと地域性について、とても考えさせられた年でもありました。
振り返れば、今年も駆け足で過ごしてきたように思いますが、時折歩調を緩めては所内で激論の末、いろいろな住まいを生み出すことができ、住まい手の方々の喜びに満ちた顔を拝見することができたのが何よりでした。

来年一年も何かと慌しくなりそうですが、普段の生活の中に新しい発見を求め、常に新しい住まいのかたちを追い求めて行きたいと思います。

年末年始にかけて寒い日が続きますが、暮々も体調管理に留意し、良い年をお迎えください。(A)
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by miz-arch | 2007-12-31 18:00 | 住まいのはなし

115 住まいの寿命(1)

e0025025_1525735.jpgこれは「木工職人の家」の北面の外壁を写した写真です。
濃いグレーの外壁と対照的な新緑で覆われた山なみと五月晴れの空がとてもきれいです。

この外壁は上部をポリカーボネートの波板、下部をビニールカーテンで構成されていますが、どちらもホームセンターなどで販売され、入手しやすく安価な素材です。実はこの内側には、もう一層の外壁があり、こちらは針葉樹の合板で仕上られています。

どうして普段とは一風変わった仕上げを選択しているのかという謎解きは簡単です。
まずは住まい手が木工の職人さんで、表面仕上材(ポリカ波板など)の内側に木工作品に使用する木材の原板を立てかけて乾燥させるため、そしてその際に外壁を傷めやすいので比較的傷が付きにくく、仮に傷が付いても自分で補修しやすいように(しかも安価に)との配慮からでした。


日本の住宅の平均寿命はおよそ30年と言われています。これはアメリカの45年、イギリスの75年と比べ、圧倒的に短い数字です。ではなぜそんなに短いのでしょうか。
ひとつには、戦後の高度経済成長期に慌しく建てられた住宅の品質の低さが原因でしょう。現在の住宅はそこまで品質が低いとは言いませんが、社会全体が利益優先志向の体質から抜け出てないので、大幅に改善されたとは言えないのが現実です。
また日本人が長く消費を優先させ、使い捨て文化を助長してきたことにも原因があります。アメリカはDIYの好きな国柄ですし、イギリスは古いものを大切にする国柄です。つまりはメンテナンスを怠っていることが低寿命化に影響していると考えれれます。
少し前の話ですが、政府はこの低寿命住宅の文化にメスを入れんとばかりに「200年住宅構想」を掲げました。勿論、200年という耐用年数に科学的根拠は全くありません。

私たちの設計する住まいは「100年住宅」を目標に掲げています。この立証はあと何十年も経たないといけないので、これまた根拠がないように聞こえますが、私たちのとっている工法が長寿命の(100年以上たった)民家などを参考に造られたものであり、またそれらの短所を改良しているからこそ言えるのです。また使用されている木材は80年生以上のものが多く、エコサイクルを考える上でも、何としても80年以上は持たせなければいけないという思想の元に造られているからです。この「100年」という数字はあくまでも目標値ですから、住まい手の努力次第でそれ以上になることも十分可能ですし、それには冒頭に上げたようなメンテナンスを怠らないことが重要なのです。(A)
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by miz-arch | 2007-11-27 19:28 | 住まいのはなし

109 土間の仕上げ

e0025025_19163817.jpg写真は土間の施工風景で、色モルタルの掻き落とし作業を行なっているところです。
「掻き落とし仕上げ」は本来は外壁などの壁面の施工をする際に用いる手法ですが、ご覧の通り、私たちは玄関土間の仕上げ手法としてよく利用しています。

※正確に表記すると、使用材料は「色モルタル」ではありません。

1950年頃までは日本の住まいの玄関といえば「三和土(たたき)」仕上げが主流でした。土と石灰に苦汁などの三種類の主材料を混ぜ合わせ、叩き固めて仕上げていたことから「三和土」と書いて「たたき」と呼ぶそうです。古い民家を訪ねれば、必ずといってよいほど玄関土間に使用されていますから、見たことがある方も多いでしょう。しかし、建築材料としてセメントが用いられるようになってからは、容易で短期間に仕上ることができるセメントを用いた仕上げ(洗い出し、タイル貼り、コンクリート金コテ押さえなど)に取って代わられるようになりました。三和土仕上げのメリットは調湿作用や踏み心地の柔らかさなどですが、時間の経過とともにくぼみができたり、ひび割れてきたりのデメリット(これをデメリットと考えるかどうかは別として)もあります。

日本に馴染みのある三和土を現代の工法の中でできればと思い使用しているのが前段の「掻き落とし」仕上げですが、こちらはうちの奥さんが大阪で勤めていた事務所にいた頃から馴染みのある仕上手法でした。北陸に転居してからは冬期の凍結によるひび割れ等を考慮し、使用材料等を検討した結果、現在の方法にたどり着いたのですが、ご覧の通り光の入り方によって見え方も変わり美しい仕上がりとなっています。玄関先に持ち込んだ土などが目立ちにくく玄関先を常にきれいに保てるのがメリットですが、踏み固める回数が多い場所ほど先端がつぶれてしまうデメリットもあります。もっとも私たちはこれを「風合い」として捉えていますので、あまり気にしていませんが。

作業行程は写真左手のように一旦平滑に塗り込んだ後、適度に硬化した頃合(これぞ職人の経験)を見計らって、剣山やコテで表面を削り落としていきます。いかにも手間隙のかかる作業ですが、これも経験のある職人さんあってのこと。この作業をして下さった職人さんも今年で引退されるとか。是非とも次世代にも引き継いで欲しい技の一つです。(A)
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by miz-arch | 2007-06-27 16:14 | 住まいのはなし

101 動線

e0025025_1024246.jpg写真は昨年末に竣工した「金屋町の家」ですが、手前がリビング、階段の奥に見えるのがダイニング、そしてその左手にはキッチンがレイアウトされています。また右手は浴室等の洗面スペースやトイレなどへつながっています。これらは連続する空間ですが、縦格子や階段、セミオープンの壁などによって各々の空間が柔らかく区切られ、住まいに広がりと変化をもたらせています。

私たちは住まいの設計を行う際に、できるだけ廊下をつくらないという話は以前も書きましたが、この住まいも同じように造られています。結果、リビングからダイニングへは階段の下を通り抜けたり降り口を通ったりと複数の動線(人の行動する経路)が発生します。他にもキッチンを経由したり写真では見えませんが右手の納戸を経由したりと複雑な動線が考慮されています。ここでは「複雑」と表現しましたが、これらは住まい手の行動パターンを把握し整理した上でプランニングされているので、住まい手にとっては考えずに行動できる快適なものとなっているはずです。

私たちは住まいの動線を計画する上で「行き止まり」をつくらないということに重点を置いています。それは、行き止まりが多い住まいは使いづらい(住みづらい)ですし、くるくる回る動線(回遊動線)の方が住んでいて楽しいからです。この住まいでもお子さんたちが自由にくるくる駆け回り、まるで忍者屋敷のようでした。住まいの大小にかかわらず、住まいの中で「かくれんぼ」や「おにごっこ」ができるような空間が理想だと思います。(A)
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by miz-arch | 2007-01-10 10:43 | 住まいのはなし