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住まいとデザインのはなし 2002-2016

053 ダイニングテーブル

053 ダイニングテーブル_e0025025_11454884.jpg写真は「東山台の家」のダイニングテーブルです。

「低予算でも一生使えるテーブルを作ろう!」を合言葉にこのテーブルは製作されました。コストを抑えるために、この住まいの木材を発注したフロンティアさんに格安で天板を譲って頂き、製作を住まいの施工をした羽根建築工房の大工さんにお願いしました。実際には羽根さん(社長)自らの手で施工して頂き、ご覧のような立派なテーブルが完成しました。


無垢板を使ったテーブルを製作する際に必ず考えるのが、耳(板の端部)を付けるか、面を取ってきれいなかたちに仕上げるかです。このテーブルの場合は、住まい手のご希望で耳を残したかたちとなりました。耳付きのテーブルは見ただけで無垢板だということが分かり、自然の力みたいなものを感じさせてくれます。反面、微妙にカーブしているので部分的に使いにくかったりする場合もありますが、これも「味」と解釈してしまえば問題ありません。結局のところ、住まい手が木の力強さ(荒々しさ)を選ぶか、すっきりとしたデザインを選ぶかという好みの問題です。

さてこのテーブルですが、自由に移動できるように脚の部分は固定されていません。(箱型に造った脚に載せているだけの状態です。)そこに同じ山の木で造ったベンチを組合せ、ホームパーティーもできるようなしつらえとなっています。奈良の吉野まで住まい手と板材を選びに行ったときの真剣で嬉しそうな住まい手のまなざしが、今でもはっきりと思い出されます。(A)
by miz-arch | 2005-09-27 12:05 | 家具のはなし